詳説変換・思考回路 わ行/あとがき/おまけ



 輪と言えば何が有るだろうか?例えば友達の輪、だとか。連鎖の輪、だとか。空想の輪、だとか。そんな物を考えながら物語を思い描いていく。

 一緒に歩くなら、森の中に住む一匹のくまが良い。私はくまと森の小道を行く。森の木は緑の腕を大きく広げ、その木陰は夏にもかかわらず涼しい。しばらく行くとこぢんまりとした丸太の家がある。あなた達もどうかしら?そう呼ぶ声がして、私とくまはりすとたぬきのいる丸い机を囲む。これが友達の輪。
 ここで楽しいお茶会をした私たちは、夕方になりそれぞれの家に帰っていく。けれど次の日、またもう一度楽しいお茶会をやりたくて、今度は私の家に友達を招く。今日は新たに小鳥も加わった。その次の日はくまの家で、また次の日は狸の家で。次第に料理は豪勢になっていき、お茶会からパーティーに変わる。そして仲間の数も増えていく。これが連鎖の輪。

 さて、何だかよく分からない事を沢山考えて、それがいつしか物語になる。少なくとも、私はそれを願っている。さぁ、これが空想の輪だが、果たしてそれはいかなる物なのか。


をとめ

昔はあたしも若かったの って
それがいつしかおばさんになってしまったの って
でもそれが時の流れってものでしょ?
思い返してみればどの時も楽しかったから良いのよそれだけであたしは満足できるのよ

そんな風に思い出せる日が来たら幸せだと思う。いつかみんなでそんな話をしたい。


ん。

ん、大丈夫。
そんな言葉が口癖なら良い。安心感が欲しいのだ。確証が欲しいのだ。全てを任せたい。手を離したい。宙に浮きたい。
温もりに包まれて、そして心の中に温もりを抱きたい。

ん、大丈夫。私の事なら心配は要らない。



~・~・~・~

あとがき
 みなさん。こんばんわ。そろそろ明るくなりそうな気がするそんな時間にこれを書いています。どうも、読んで下さった方はありがとうございます。
 この「詳説変換・思考回路」というのは、私が大学二年生の秋(二年前?)に村上春樹と糸井重里が書いている「夢で会いましょう」という本を読んだことに始まります。それはあいうえお…に絡んだ短い話がそれぞれ書いてある本なのですが、私もそれがやりたくて。それで、夢で会いましょうとは違って全ての文字にひとつずつ名詞の題名で考える、という縛りでやってみました。

 内容に関してですが、相変わらず私が普段ぼけっと考えている様な事ばかりです。ほとんど物語は入っていませんが、許して下さい。
 過去に二人の友人にこれを公開しました。空が出てくる話が多すぎないか?という事でしたが。見直してみて、確かに空が多い。すいません。でも好きなものは好きなんです。
 その時と全く同じというのはどうかと思いますし、「和音」と「時の境界線(もとは箱庭という題名だった)」を独立させてしまったので、改めて「輪」と「はにかみ」を書きました。それと「リンク」があまりにも酷いなと思ったので、新しく書き直しました。まぁどの程度も進化していないと思いますが、このホームページ上では一番新しい文章ですよ。

 もし感想をいただければ今後も励みます。いや、本当は何も無くとも励まなければならないのですが。

 今後は春に関係する話をあげるつもりです。しかし!その次の予定が全くない!何も書いていないのです。という事で、GWはそのネタ造りにでも励もうと思います。そのためにちゃんと研究室からパソコン持って帰って来たからね。あ、でも今こんな事書いてもアップロード出来るのはGW明けてからだね。ごめんなさい。

 では、ありがとうございました。また今後もよろしくお願いします。


~・~・~・~

おまけ
 没になった「リンク」と「私」を乗っけておきます。


リンク

植民地計画
現実の世界観
本棚と手帳
マイミュージック
人間
mandolin8gen
きのう、あした。
うーん。いやはや。はぁ。




 先日の話である。近所のスーパーで買い物をすべく、自転車を店の前に止めていた時の事だ。他の自転車が店の前の駐輪スペースを埋め尽くしていて、私は開いていた細い隙間に駐めるしかなかった。しかし、その向こう側には道路から店内に入っていこうとする別の客が居たのだ。私はもう既に自転車を狭いスペースに押し込んだ所だったので、見なかった事にして買い物に行きたかった。
「ちょっと、そこ自転車駐めないでくれる?邪魔なんだけど」
その客の言いたい事は凄く良く分かった。怒るのも当然である。しかし、彼女の言い方が酷く、私の機嫌はそこで一気に悪くなった。
 確かに見なかったことにしようかとも考えた。怒るのも仕方がない。
「そこ、駐輪禁止だから」
そう言われて私ははっとした。確かに地面には黄色い線が引いてあり、通行できるように細い通路が確保されていたのだ。急いで自転車を別の所へ移そうと動かした。
 がしゃんがしゃんと音を立てて倒れる周りの自転車。これはもう自分の自転車は脇に置いておいて倒した自転車を立て直すしかない。その時間を彼女に道路で待たせる訳にはいかない。そこで私は先に見せに入って貰おうと考えた。しかしあまりにも機嫌の悪かった私はつい、
「そこどいて貰えますか?」
と言ってしまった。それはそれは彼女は怒った。まぁ仕方の無いことだ。けれど文句を言いながらもやっと私の目の前から居なくなって、店内に入っていった。未だ機嫌の悪さの納まらない私は一人倒れた自転車を立て、自転車を詰めた事によって生まれた新たなスペースに自分の自転車も押し込んだ。
 ようやく店内に入り、私は買い物をしながらまだ考えていた。他の客が買い物を済ませて出てきて自転車が駐車場か出て行くのを待って自分の自転車を駐めれば、それであの客は満足するのだろうか、だとか。スーパーでの買い物も機嫌悪く済ませた私は再び駐輪スペースへ戻り、そして見た。先刻自分が駐めようとしていた黄色い線の中に、他の人の自転車が留っているのを。
 さて、今思い返して見れば悪かったのは全て私の様な気もするのだが、けれどどうしても腹が立ち忘れられない出来事だったのだ。私以外の人はどう思うのだろうか?


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