詳説変換・思考回路 ら行

乱雑

 ベッドの枕元には乱雑に本や漫画が積まれている。洗濯物かごには乱雑に洋服が投げ込まれている。シンクにも乱雑に食器が放置してある。机の上には乱雑にやりかけのレポートとその資料が広げられている。僕の部屋は乱雑だ。片付かない。片付かない僕そのもの。きっと僕そのもの。
 彼女の乱暴な言葉遣いが僕に刺ささった。先週の日曜日の事だ。僕は彼女の乱暴な言葉遣いが嫌いじゃなかった。だって乱暴な言葉遣いとは裏腹に優しい気持ちに溢れていたから。けれど先週の日曜日、彼女が発した言葉は乱暴に僕を突き刺した。そして僕は乱暴に彼女に触れた。
 そして僕達は混乱して家に帰った。混乱した頭は何も生み出さない。混乱した僕達の関係は僕達自身にも分からない。混乱した僕の顔は鏡で見るとなかなかに面白かった。笑ってしまってから自分に混乱する。
 そうして僕の周りは月曜日から少しずつ乱れていった。


リンク

 この世界と私の繋がりについて考えておこうと思う。
 私はこの世界で生まれた。生まれたときからこの世界にいる。だから、もしこの世界が存在しなければ、私も存在しないかも知れない。けれど逆に、私がこの世界が存在していると思っているから、この世界が存在しているのかも知れない。私の思考回路は本当はもっと別の世界にあって、自分の考え出した世界で、私という殻を被って生活しているつもりになっているのかも知れない。
 こういった事はいつも思うのだ。例えば、神という存在について。もし神を信じる人がいなくなってしまえば、神は存在しなくなってしまうのではないか?ひとつの考え方に過ぎなくなってしまうのではないか?ただ、この世界が私以外の全く別の者が考えた世界で、その者の存在により私の存在が支えられている可能性も有るのだ。
 私の生きる世界では、私の思考回路と存在は切り離せない。その繋がりだけはどうしても切り離すことが出来ない。それ以外では光と闇が存在し、それによって時間が存在する。他人との関係が存在して、自分の心と思考回路が繋がる。空の役割はよく分からない。ただ、どう考えてみても他の世界との繋がりが有るのは空だと思う。
 ひとつだけ現時点ではっきりとしている事が有って、それは私は死ぬまでこの世界にへばりついていて、ここで生きていかなければならないと言うことである。それが現時点での私とこの世界との最大の繋がりだろう。


類義語

似たような意味の言葉。
快晴/青空/晴れ/晴天/雲無し/良い天気etc,etc…
でも少しずつ意味の違う言葉。
私は空が好きだ。
毎日見ているけれど似たような空を見ることは有っても全く同じ空を見ることは無い。


レアチーズケーキ

 真っ白でなめらかな光沢。甘酸っぱい香り。レアチーズケーキと言えば美味しくて簡単に作れるお菓子のひとつ。しかも大抵の人が好きという、作れば売り切れ間違い無しの一品。
 土台のタルト生地はクッキーを砕いて固めても良いし、もちろん自分で作ったらより一層美味しい。その土台に、クリームチーズや生クリーム、そしてレモン果汁を絞った生地を流し込む。冷やして待つこと二時間。
 一人で丸ごと食べるのもよし、誰かと食べるのもよし。ブルーベリージャムをかければ定番のスタイル。いちごとミントを飾ればクリスマス風にもなる。
 さぁ、今日はどうやって食べよう?


ロックンロール

 ロックンロールの日本語訳は何だろう。
 まず、ロックという物はどういうものであろうか。それは音楽の一分野である。エレキギターとベース、それにドラムがいてヴォーカルが歌うというのがだいたいの基本的なスタイルであり、時にはキーボードなども加わる。音はみんなエレキなのででかくて、とにかくうるさい。
 そして、格好良い。ロックンロールがこの世に出てきた当時はすぐには世間に受け入れて貰えなかった様だが、すぐに爆発的な人気を博した。やはり格好良かったからだ。けれど時が経つにつれてその当時のロックと現代のロックは少しずつ方向性がずれてきた。
 しかし、それでもロックは格好良い物なのである。それだけは変わっていない。そして少し情けないのもロックンロールの特徴であろう。格好付けるためにバンドを組む学生達。あこがれのバンドの曲をやれば自分も格好良くなれるという勘違い。欲望丸出しの、よく言えば正直、悪く言えば馬鹿正直な歌詞。ちょっとださい。しかし、それが無ければロックンロールは格好良くなくなるだろう。
 そんな訳で、私はロックンロールの日本語訳は「ださいけど格好良い」だと思っている。


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