詳説変換・思考回路 ま行

満月

 夏の満月は大きい。あの、橙がかった大きな月が、こちらに迫ってくる感覚が大好きだ。
 子どもの頃はそれをよく車の中から見ていた。窓の外で月も一緒に走っていた。追い着け追い越せの世界だ。橙の月が迫ってくる。
 月の出ている夜は花火もしなかった。月の方が魅力的だったからだ。
 夏の月だけは望遠鏡で覗くよりも肉眼で眺める方が楽しかった。
 あの橙色が好きだった。
 あれが見られないのなら、それはもう夏ではないのだ。


未来

 ちょっと想像してみよう。もし近い将来、何か偉大な能力が自分に有ると分かったら?大金が懐に転がり込んだら?永遠の愛が存在して、それを手に入れたとしたら?君ならどうするだろう。  でも、未来ってのはそんな楽しいばかりの物ではないと知ってしまっているんだ。時には絶望し、怪我もするし病気にもなる。裏切られる事もあれば嘘をつくこともあるだろう。そんな時、君ならどうするだろう。
 今思っているのは、これだ。考えない。そうすれば今を楽しく過ごすことが出来るし、将来良いことが起これば嬉しい。悪いことが起きたら、それはそれでその時になってみないと分からないだろう。とにかく、未来に進んでみようと思っている。まぁ、放っておいても明日は来るのだけれど。


虫めがね

 虫めがね。おじいちゃんの思い出のひとつ。おじいちゃんはあんまりしゃべる人では無かったから、ほとんどしゃべったことが無かった。とうとうそのまま亡くなってしまった。今年の冬の初めのこと。
 おじいちゃんは老眼で、そんなに目が良くなかったから、大好きな野球の結果が乗った新聞を見るのにいつも虫めがねを使っていた。青くて大きいやつ。スイッチを入れるとオレンジの豆電球が光るやつ。それをいつもリビングの、同じ椅子に座って覗いていた。けれどおじいちゃんが入院するようになってからは見たことが無かった。それなのに。
 お葬式が終わって家に戻って、お茶を入れて一息ついた。親戚がみんな家にいたから、唯一開いていた席に座った。おじいちゃんのいつも居た席だ。そうしたら、虫めがねが有った。あ、これ見たことある。そういえば今の家に引っ越して来る前から使って無かったっけ?そう言っておばあちゃんとしゃべった。
もう一度虫眼鏡を見た。あぁ、おじいちゃんはもう居ないんだな。そう思って無性に悲しかった。


メモ

2009.12.16.
寒いなぁ。
何か色んな事が一度に来るから、上手いこと自分を地に足付ける事が出来てないきがする。でも何も考えてないから物をこなすスピードはやたら速いし何事もどうにかなっているよ。不思議なもんです。


もんじゃ焼き

 もんじゃ焼きって皆さんご存じですか?私は仙台に来て初めて知ったのですが。どうやら関東にはあるようですね。でも関西ではお好み焼きが有るからなのか、一度も見かけたことは有りませんでした。
 もんじゃ焼きというのはですね、小麦粉にソースで味付けして水を入れた感じのたれに、刻んだキャベツと豚肉をベースに、干しエビや蟹かまぼこ、キムチ、豆板醤、餅にチーズ、そして更にはベビースターラーメンなんかまでを入れて焼くんですね。焼くときは先に肉を炒め、そして具だけを炒めて土手を作り、その中に残りの液体部分を流し込んで最終的には混ぜて延ばすんですね。
何かねちねちしてますし見た目もよく分らない感じですが、美味しいしそれに非常に楽しい。会話も弾みます。何時間でも続けられます。
是非やってみて下さい。はまること間違いなし。


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